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最新記事【2006年10月04日】

 上方喜劇の大御所として知られたミヤコ蝶々のセリフである。

 その人生は壮絶だった。

 7歳で初舞台を踏んで以来、旅回りの日々。
 妻子ある男性と不倫の末、ヒロポン中毒になった。
 そして、介抱してくれた男性(のちにコンビを組む南都雄二)と結婚。
 しかし、南都の浮気で離婚した(南都は48歳の若さで死去した)。

 そんな2回の離婚歴があるミヤコ蝶々はあるとき作家遠藤周作氏に
 こう訊かれた。
 「もう結婚はなさいませんか?」
 すると、彼女はこう答えたのである。
 「しますよ、できたら。わたし、男で苦労するの好きでんねん」

 イヤハヤ、何ともすごいセリフである。

 ミヤコ蝶々は、子供を授からなかった。
 「自分の人生はいつも1人」と、よく呟いたそうだ。
 晩年は舞台の袖まで車椅子で行ったが、そこからは立ち上がって、
 舞台に出たという。

 そして、観客を笑いの渦に巻き込む……

 「男で苦労するのが好き」
 ミヤコ蝶々のこの言葉は孤独な心の叫びだったのかもしれない。

 ウッディ・アレンの映画『アニー・ホール』に出てくるセリフ。

 インテリ漫談家のウッディはダイアン・キートン(アニー・ホール)と
 初めてベッドを共にした時に、彼女に感想を聞かれて答えるのだ。

 「笑わずにできたのが何よりよかった」

 これを殺し文句と言っていいかわからないが、
 神経質で皮肉屋なウッディ・アレンらしくて、僕は好きだ。
 しかも、このジョークにはダンディズムが感じられる。
 個人的には一度でいいから言ってみたいセリフである。

 一度でいいから言ってみたいと言えば、
 ウッディ・アレンの映画『ボギー!俺も男だ』にはこんなのがある。

 ウッディ扮するボギーマニアの映画評論家は
 愛する女ダイアン・キートンを夫トニー・ロバーツの元に返す時に
 「彼と行かなければ一生後悔する」と言う。

 実はこのセリフは映画『カサブランカ』の有名なセリフなのだが、
 このセリフを言ったあと、ウッディはこう付け加えるのだ。

 「『カサブランカ』のセリフだ。僕はこのセリフを
  言うために生まれてきたようなものなんだ」

 どう?いいセリフでしょ? 
 男の美学がヒシヒシと伝わってくる。
 そう思うのは僕だけ?

アドセンスイメージ画像2


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