ボランティア精神に成功の女神が微笑んだ!? 貧乏青年の立身出世物語
時代の流れにうまく乗るというのは、成功者の必須条件であるが、急速な経済発展を遂げる中国とミャンマーとの国境沿いの雲南省瑞麗には一獲千金を狙う人々がチャンスを求めて集まる都市として知られる。
董勒成さんはミャンマーの貧しい農村で生まれ育った。中学校卒業後、瑞麗の商社に就職したが、漢民族の同僚とのトラブルで退職。21歳のときに雑貨店を始め、生計を立てていた。そんな彼はあるときひとつの事業を思いついた。それは当時はまだ電気が通じていなかった生まれ故郷の村に電線を引くことだった。早速、貯金をはたいて行ったこの決断が彼の成功の足がかりとなった。
この話は村にとっては願ってもない話である。話はトントン拍子に進んだ。こうして村人の信頼を得た董さんは60年の期間で農地の借地権を獲得。これを担保に銀行から融資を受け、中古トラック十台で運輸会社を作った。うまく行くときというのは、何をやってもうまく行く。時流も彼に味方したのだ。当時はちょうど国境貿易が急速に伸び始めたとき。ミャンマーの木材を中国へ、中国の日用品をミャンマーへ。事業は順調に伸び、1989年、銀行融資でホテルを建てる。
そして、これがまた当たった。「不動産が高騰し、日本円で約1億5千万円で建てたホテルが1年後には3億円以上の高値で売れた」と、董さんは言う。その後、石油スタンド、木材工場などのオーナーとなった彼は20階建てのホテルも建設。わずか5年間で、資産10億円という大金持ちになってしまったのだ。
もちろん、彼の才覚も成功の一因だが、そもそもは「生まれ故郷の村に電気を引きたい」というボランティア精神がキッカケ。そんな彼の姿を見て、成功の女神が味方してくれたのかもしれない。