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二束三文のウランを120億円で米国大使館に売りつけた無知な犯行グループ

 儲け話があると聞きつければ、目の色を変える人種は多い。しかし、実際はそんなうまい話が転がっているものではない。結局ドジな結末に終わるということはよくある話。次に紹介する話はさしずめその代表例であろう。

「実は大量のウランを所有しているんだが、120億円で買ってくれないか?」
 電話口で男は声を潜めて言った。彼が掛けた先は米国大使館だった。

「このウランは戦時中、理化学研究所が同盟国ドイツから原爆製造実験のため輸入したもの。戦後GHQ(連合国軍総司令部)が没収したが、一部が流れ流れてわれわれの手に入った」と、男はさらに説明した。

 しかし、この米国大使館へのウラン売り込み事件は主犯格の2人が原子炉等規制法違反容疑で警視庁保安一課に逮捕され、あっさりと結末を迎えた。彼らは二束三文の天然ウランを大変な核物質と思い込んだのだった。犯人たちが持っていたウランはメタルパウダーと呼ばれるもので、ウラン規制がなかった頃、瀬戸物やガラスの製造工場などにたくさん置いてあった類の粗悪品。あまりに古いものですでに酸化してボロボロだったという。

 捕まった犯人グループはそんなことは知らず、「4キロあれば東京電力が60年使っても使い切れないすごい物」と言って、ウランの売り込みを持ちかけてきた男のでたらめ話を本気で信じ込み、米国大使館に120億円という途方もない値段で売り付けようとしたのだ。

 この話に乗った犯人グループは、古美術商や大学教授、サラリーマンなど様々な職業で、彼らはウランで大儲けをしようという話に飛びついたという。ちなみに、純度の高い天然ウランでもせいぜい1キロ2万円程度の値段にしかならない。無知が招いたトホホな犯罪に専門家はアキれることしきりだったとか。

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